INTERVIEW #4

大型杭打船・第十八御在所号と
ともに歩んできた仕事人生。

岩渕 伸宏

1995年 入社

インタビュー

新しい船とともに
築いてきたキャリア。

入社して初めての仕事は、船のデッキの掃除でした。当時、当社は新しい杭打船・第十八御在所号を導入した頃で、新人を乗せて育てようとしていたようです。

初めて本格的な仕事をしたのは、建設中だった名港トリトンの工事現場です。仮の橋脚を設置した時に打った杭を抜く作業に携わり、仕事の流れや作業内容を覚えました。その後、さまざまな現場を経験しながら徐々に任されることも増えていき、3年目頃からは手元作業に携わるようになります。船を引っ張るボートの操船、鋼管の傾きを調整する高所作業など、業務範囲も広がりました。

そして10年目には職長に昇格。責任者として現場の仕事全体を統括する立場になったのです。

状況を先読みし、最適な判断をする。
職長に課せられた任務。

船を現場まで移動させ、杭を打つ位置に錨を打ってセットする。そうした一連の手元作業をおこないながら、職長としてチームを指揮しています。

難しいのは、現場でのさまざまな状況判断です。特に重要なのが、天候の変化を的確に見極めること。現場が海上ですから、作業の進捗が天候に大きく左右されるんです。何十メートルもある鋼管をクレーンで吊り上げるという不安定な作業において、風は大敵。台風が近づいたりすると船ごと避難することもよくあります。その日、船を出すのか出さないのか。それを決めるのも職長の大切な任務ですから、最適な判断を速やかに下せるよう、気象情報などを常に細かくチェックしています。

難易度の高い現場で学んだこと。

これまでに関わった案件で特に印象に残っているのは、中部国際空港連絡道路の橋脚設置工事です。地盤が非常に硬く難しい現場でした。

硬い分だけ打ち込むのに時間がかかるのはもちろん、杭がすんなり地中に入っていかないため、途中で傾いたり位置がズレたりするんです。陸上の誘導監視員やクレーンのオペレーターとトランシーバーでやりとりしながら、杭の傾きや打設位置を微妙に調節して慎重に作業を進めていきました。

規模も大きく、より緊張感を強いられる現場に半年ほど詰めていたので肉体的にも精神的にもハードでしたが、難易度の高い作業の進め方を学べたのは大きな収穫でした。後に完成した連絡橋を見た時には、感慨深かったです。

深夜に作業をおこなう
異例のプロジェクトで現場を指揮。

もうひとつ思い出深いのが、東京国際空港D滑走路の建設工事。夜間に杭打ち工事をおこなうという異例のプロジェクトでした。

通常の工事では、作業は日没前に終わらせるのが鉄則ですが、現場は空港。飛行機の離発着がすべて終わった深夜から翌日の運行が始まる朝までが、我々に与えられた時間でした。もちろん照明をたくさん点けて作業環境を整え安全対策も万全にしていましたが、やはり夜間での作業にはかなりの緊張感が伴います。また、翌朝の第一便が飛ぶまでに現場を片付けなければならないため、絶対にトラブルを起こせないんです。例えば、クレーンが動かなくなるなど言語道断。だから、機材の点検など事前準備をいつもよりさらに注意深くおこないました。おかげで大きな故障などもなく、半年間のプロジェクトを無事に終えることができました。

大切な相棒は、
国内最大スケールの杭打船。

私が新人の頃から乗っている第十八御在所号は、長さ70.0m、幅28.0m、深さ4.5m、総トン数2,080t、吊上荷重550tというスケール。当社の保有船舶の中で最も大きなもので、杭打船としては国内でも一番大きなタイプです。そのため、空港建設などの大規模工事や、長い杭を打たなければならない地盤の柔らかい場所などの難しい現場で活躍してきました。

当社では船ごとに作業チームを割り振っていて、第十八御在所号は4人の固定メンバーが担当しています。チームには若手もいますよ。難しい現場が多いとはいえ、若手にもやれることはたくさんありますから。私自身も若い頃からこの船で多くの経験を積んできました。私を育ててくれた、とても愛着のある船です。

仕事を止めないための、
技術の継承。

誰がおこなっても同じクオリティを保てる。
プロの仕事とは、そういうものでなければならないと思います。例えば、私が急に休んだら現場がストップするようでは駄目だし、実際、誰かが代わりに役目を果たせるチーム体制を整えています。

そこで大切なのが技術の継承。
現場作業のノウハウや所作はもちろん、メンテナンスに関する知識・技術も身につけた人材を育てなければなりません。若手には日頃からいろいろな経験をさせながら、自分が培ってきたことを伝えていきたいと考えています。

最初は見習いだった私が、この船とともに成長し、今は職長として現場を仕切っている。そんな風にどんどん若手が育って、これからの会社を引っ張っていってくれたら嬉しいです。

1日の流れ

  1. 7:00
    事務所に出社
  2. 8:00
    四日市港
    係留してある作業船舶で機材や設備のメンテナンス
  3. 12:00
    昼食
  4. 13:00
    打ち合わせ
    次のプロジェクトの打ち合わせ
  5. 15:00
    作業再開
    メンテナンス作業再開
  6. 17:00
    作業終了
    整理整頓して現場を閉じた後、事務所に戻り退社

キャリアステップ

  1. 新入社員|入社
    大型杭打船のデッキ掃除からスタート。
  2. 手元作業員|3年目〜
    海上工事の杭打ちにおける手元作業員として多くの現場を経験。
  3. 職長|10年目〜
    チームの責任者として現場全体を統括。

先輩社員に聞いてみた!

Q1:趣味は何ですか?

海釣りです。休日には小さな船に乗って海に出ます。先日は50cmほどある鯛を釣り上げ、妻にさばいてもらって家族で楽しみました。

Q1:趣味は何ですか?

高校生の息子の野球の応援に行くこと。中学生の頃までは練習試合で審判を担当していましたが、もう親の出る幕はないですね(笑)。

Q1:趣味は何ですか?

中学生の娘と一緒に映画を観るのが楽しみのひとつです。姪っ子も連れて人気のアニメ映画を観に行くこともあります。

求職者へのメッセージ

経験がなくても大丈夫です。私自身、入社直後に大きな船の担当になり、何も知らないところから始めて仕事を覚えてきました。

一見とても難しそうに思えるかもしれませんが、現場で経験を積みながら少しずつ慣れていけると思います。福利厚生や資格取得支援の体制も整っていますから、安心して入社してください。